Secret 先生



「おー、永井と坂本」



コイツは私の横を通り過ぎて



涼子ちゃんと早紀ちゃんのほうに行った。



私はそんなコイツの背中を追うことすらできない。



「三沢なんでこんなとこいんのー??」



「三沢先生と呼びなさい、坂本」



眼鏡のふちの部分をあげるふりして先生らしくするから



「あはは」



みんな笑った。



「つか何?水着のコーナーにいんの?変質者扱いされるよ~?」



「ばぁか、俺の何処が変質者なんだよ~」



「十分変質者だよぉ三沢センセ、一人だし。ねぇ由依子ちゃんもそう思うでしょー?」



早紀ちゃんから話を振られて焦る。



少し吃りながら



「あはは、確かに、変質者だよね~」



でもやっぱりここは2人に合わせた。



「あ、でもちょうどイイわ。三沢」



「だから、三沢・先生だろ!教師を呼び捨てんな、坂本」



涼子ちゃんがなにか閃いて



コイツの目の前に出したのは



「ほら、これ。
どっちの水着がイイと思う??」



さっき私に見立ててくれた2人の水着。



「ちょっ...!」



さすがに焦った。
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