10年目の告白~愛バージョン
少し座って話をしよう、
そう言ったのは私だ。

この駅から帰り道に向かう。

それぞれ別の。

しかし
特別に用意した話はなく、ひとまず、一つ目の乗り換え駅まで出ようという事になった。
二本のシーサイドラインを見逃すと
彼は私の手を引っ張り
立ち上がらせた。

「一件いい店を思いついたから、そこで乾杯しよーぜ」

私の少し前を彼は改札に向かって行く。

“いいの?”
そう思った。
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