10年目の告白~愛バージョン
8年目
店を出て、来た道を戻る。
エレベーターは急速度で
落下する。
“今日は楽しかったね”
“また時間を作ろうね”
“明日またメールするね”
狭いエレベーターの中で
彼の背中を見ながら
今日最後に別れる言葉を選んでいた。
他の乗客もいたせいかもしれないが
彼は何も語らないまま
エレベーターを降りた。
“おいで”
エレベーターを降りると
彼は私の手を取って歩きだした。
他愛もない一日のはず。
こんなに別れが惜しいなんて
10代の付き合い初めの
彼氏と
ほんの一日離れるのとはワケが違うのに。
永遠に別れるワケではないのに。
私達ならまたすぐに会える。
そう言い聞かせ
私は彼の手を握り返し
後をついて歩いた。
しかし駅を通り過ぎる。
エレベーターは急速度で
落下する。
“今日は楽しかったね”
“また時間を作ろうね”
“明日またメールするね”
狭いエレベーターの中で
彼の背中を見ながら
今日最後に別れる言葉を選んでいた。
他の乗客もいたせいかもしれないが
彼は何も語らないまま
エレベーターを降りた。
“おいで”
エレベーターを降りると
彼は私の手を取って歩きだした。
他愛もない一日のはず。
こんなに別れが惜しいなんて
10代の付き合い初めの
彼氏と
ほんの一日離れるのとはワケが違うのに。
永遠に別れるワケではないのに。
私達ならまたすぐに会える。
そう言い聞かせ
私は彼の手を握り返し
後をついて歩いた。
しかし駅を通り過ぎる。