10年目の告白~愛バージョン
4年目
二人は水族館へ向かって歩いた。

かなりのアルコール接種に気付いた時から
乗り物に乗りたい、なんて野心は消えていた。


水族館を見つける前に
ゲーム館を見つけ、入ることにした。


「テトリス勝負しよーぜ」
二人が知り合った遠い昔、ゲームセンターで競った。

それから以降は
二人でゲームの勝負をする機会には恵まれなかったから
いつもは忘れて過ごしていた懐かしい感覚に
また喜びを感じた。


館内は沢山のゲーム機がひしめきあっていて、

二階まで見渡せる様な作りが広さを感じさせた。


勝負は簡単に私が負け、
となり同士に着席したまま私は携帯を取出し

“ぱしゃり”

彼の横顔を写真に納めてみた。

「邪魔するなよ」

彼は余裕でゲームを続けていた。

“ぱしゃり”

二枚目を撮影した。

この写真を
一旦は保存したが

あとで見る事は一度もなく削除することになった。


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