恋愛スキル
*°・.
昼休み。
俺は、クラスの男子数人と、いつもみたく、バスケをしに行く。
「わりぃ、便所!」
階段を半分おりた時、緋乃の様子が気になった俺は、圭にボールを投げ渡すと、急いで掛けあがる。
「優等生だからって、調子こいてんじゃねーよ!」
ちょうど上がりきった頃、大きな声が廊下に響いた。
三年の、有名な不良の女達が、何やら騒いでいて、その視線の先には、廊下に倒れこむ緋乃がいる。
すぐ下には、緋乃が落としたんだろう、数冊の本が散らばっていた。
……あのバカ!!
俺は、猛ダッシュで走り出した。
その時。
「大丈夫?」
見た事もない男が、緋乃に近づき、優しく手を差し出した。
誰だ?あいつ……。