恋愛スキル
一目惚れ-緋乃
――やっと昼休み。
私は、借りていた本を返そうと、図書室に向かう。
廊下を歩きながら、ふと窓の景色に目を向ける。
今日は晴れ。空も青々としていて、気持ち良さそうに、木の葉が揺れている。
決めた!
今日は屋上で読もう!
ちょうど、曲がり角にさしかかった時、前を向いていなかった私は、勢い良く誰かとぶつかって、私はその衝撃で、尻餅をついた。
「きゃ……」
「うわ、だっせー。優等生だからって、調子こいてんじゃねーよ!」
顔をあげると、三年の怖い先輩達が、私を上から一斉に睨んだ。
朋美が、目を付けられたら大変な事になるって、確か言っていたような……。