恋愛スキル


行き違いで出て来た松浦に付き添い、病室に入ると、看護婦さんが彼女をベッドにゆっくりと移す。

一礼し出て行く後ろ姿を見送ると、俺はそっとベッド横に置かれた椅子に腰掛け、彼女の生暖かい手をとった。



眠っている松浦には沢山の管やら機械が付けられていて…

どぅしてもっと早く気付いてやれなかったんだと思うと、彼女を握る手に無意識に力がこもった。


松浦は今も確かに此処にいる。

生暖かい手はそれを俺に伝えている様だった。



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