恋愛スキル
夢の中-緋乃
夢……見てたのかな。
窓から差し込む朝の光で、目を覚ました私は、ぼんやりと思った。
パジャマのポケットに手を入れると、先生から貰った紙が入っていた。
夢の様だけど現実だったんだ……。
そう思うと、何だか恥ずかしくて嬉しくて……
両手でほころぶ顔を隠した。
「松浦さん、採血しますね?」
看護婦さんが、そっと仕切りのカーテンを開けた。
ゆっくり起き上がろうとする私に、「そのままでいいわよ」と、手際よく用意をしながら微笑んだ。