恋愛スキル
グフッ!!
喉に詰まらせ、むせこむ私。
大輔は慌てた様子で、お茶を差し出すと、私の背中をトントンと叩いた。
「俺に気を遣う事ねーよ。好きな人に逢いたいと思うのは普通の事だしな。弱っている時は特に、そう思うだろ?」
既にお茶を飲んで落ち着きを取り戻している私に、彼は力のない手で、ゆっくりと私の背中をポンポンと叩く。
「浅利は確か部活だと思う。一応担任だし、言って来てやろうか?まぁ……おばさんから伝わってるかもだけど……」
そっか……何だか色々ありすぎて、曜日感覚なくなってた。
部活なら仕方ないよね。
私はお茶をすすりながら、答えを待つ大輔に、
「ううん、気持ちだけでいいや。有難う」
そう伝えた。