恋愛スキル
ブランク-大輔
「じゃーねー!」
みんなは仲間と言葉を交わしながら、下校のチャイムと共に、わいわいと教室を去っていく。
部活動の服に着替える男子に、「ちょっとやめてよぉ!」とキャーキャー言いながら出て行く女子。
そんな教室の中で、緋乃は画材道具を揃えている。
湿布の匂いを漂わせる足に、俺はふと目を落とした。
別に今日くらい部活休めばいいのに。
「部活休めば?」
俺の口はそんな言葉しか出てこない。
緋乃の事を避けていたブランクが、俺の言葉を素っ気なくさせる。