恋愛スキル


「すみません。やっぱりお二人は、そういった関係なのですね……?」


高枝の弱々しい声が聞こえる。

「ええ。浅利先生とお付き合いさせて頂いてるわ」


そう言い放つなり、ピタッと浅利の腕に引っ付く春瀬。


何だよそれ……

本気で言ってるのかよ!?

「黙ってないで答えろよ!!先生!!」


「二人とも、悪いけど、今郁斗は具合が悪いの。だからそっとしておいてくれないかしら?」


春瀬は俺の様子もお構いなしに、冷静にそう言った。


何だよ……

邪魔者は帰れって事かよ……


「長澤君……?」


高枝が俺に出るよと言わんばかりに、小さな声で呼ぶ。


「……そうかよ。あんたの気持ちは良くわかった。教師同士仲良くしてりゃいいさ」


握り締めた拳がわなわなと震える。


アイツを殴ってしまいそうな程、俺の怒りは頂点に達していた。



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