恋愛スキル
何やってんだよ、俺は!
でも、どうやって話せばいいのか、昔はどんな風に話していたのか。
今まで当たり前だった事がわからない俺は、言葉が詰まって、思っている事をうまく伝えられない。
「いいの、描きたい気分だから」
そんな俺にも目もくれず、さっさと支度を済ますと、痛めた足をかばいながら、ゆっくりと教室を出て行く。
あーっ!全くもう!
画材道具が詰まった重いバッグを、俺は思わず緋乃の手から奪い取る。
緋乃はビックリした顔で俺を見た。
「持ってやるよ」