恋愛スキル
シャッ……。
「よぉ!調子はどうだ?」
何だ……
大輔かぁ……。
思わず思ってしまった事を悟られたようで、
大輔は肩にかついでいたスポーツバッグをガサツに置くと、ベッド脇の椅子にドカッと座った。
「まったくだよなぁ~。俺だってデートの一つや二つ断って来てるってのによ。その顔だもんなぁ」
「デート?補修の間違いじゃないの?」
私が言うと、大輔はニッと笑いながら、
「言いますなぁ。俺にだってファンの子沢山いるんだぜ♪」
と、自慢気に親指を立てた。
知ってるよ。
大輔の人気ぶりは。
初めて試合を見た時、私の知らない大輔がいたから。
確かに、カッコイイと思ってしまった事は事実だし。
そんな大輔と幼なじみだって事が、自慢に思えたんだ。
何だかんだ言ってしまうけど……
私は大輔と
こうしていられる仲だって事が、凄く嬉しいんだと思う。
「あのさ―――」
「そういえば、昨日先生に会えた?」