恋愛スキル
思わず教室を飛び出してた。
私……夢見てたのかな……?
特別だって、うぬぼれてたのかな?
死ぬかもしれない私に、
生徒を励ます為に先生はきっと、願いをきいてくれただけかもしれない。
本当は春瀬先生がいるのに……
「馬鹿みたい……」
もう、何にも考えたくなくて。
溢れる涙を抑える事も出来なくて。
ただ、ただここから離れたくて、無心で階段をかけ下りていた。
ドン!
「何だよ、おい、走るんじゃねー!あ、落としてるぞ!?」
ふと、ぶつかった相手の注意の言葉を背に受けながらも、私の足は止まる筈も無く、廊下をそのまま駆け抜けてた。
『おい!緋乃!待てって!何だよ、アイツ無駄に足早ぇ!』
『あ、おい、長澤走るんじゃ……待て。お前ら授業中だろ?』
『すいません、今それどこれじゃないんで!』
『……長澤って確か浅利先輩だよな。……それより、問題はこっちの方だな……』