恋愛スキル
*°・.
バッシュの音と共に、ボールの音が鳴り響く。
女子達の声援が響く中、俺は仲間とタオルを首に掛け壁際に座っている。
今日は三チームに別れての試合形式。
俺のチームは、今控えで声出しをしている。
けど、俺は緋乃の事が頭から離れず、その事ばかり考えていた。
「こら!長澤!さぼるな!」
気付いた顧問が見かねて言った。
俺がやっと声を出し始めた事に気付いてか、親友の圭が声を掛けてきた。
「どーしちゃった?何かいつもと違わない?」
「そんな事ねーよ」
隣りに座る圭は、ふーんと視線を戻し、声出しを再開する。
「俺にも言えない事?」