恋愛スキル
まだまだ子供-大輔
朝練終わりの俺はタオルを頭にかけ、緋乃が来るのを待っている。
あいつ、足大丈夫なのか?
俺が心配していると、緋乃が教室に入って来た。
席につくなり、ちんたらと鞄を開ける緋乃。
なんだ。
結構早く来れたんじゃん。
……ってあれ?
てか……俺無視かよ!?
俺が顔を覗くと、緋乃は何だかボーっとしているようで、教科書を入れる手も止まっている。
「何かあった?」
俺の存在にやっと気付いた緋乃は、真っ赤な顔で慌てて首を振っている。
いやいや……明らかにおかしいだろ?
それでも誤魔化せてるつもりかよ?
「ふーん」
俺の声も聞こえてない感じだ。