恋愛スキル
「何やってんだよ!?」
大輔が慌てて電源を止める。
ドクドクと脈を打つ指を見ると、急に大きな手が私の手首を掴んだ。
「先生……」
浅利先生は無言で、開けっ放しになっている準備室に私を引っ張ると、洗面台で傷口を思いきり洗っい始めた。
「痛……!!」
「傷は深いけど、思ったより酷くなさそうだな」
浅利先生はそう言うと、ハンカチを傷口に被せ私に握らせた。
「保健室行ってきな」
小さく頷く私を見て、浅利先生はニッと笑い、私の頭をポンッとすると、みんなのところに戻って行く。
そう言えば私……
浅利先生に出逢ってから、助けて貰ってばっか……
今しかない!
言わないと緋乃!
「せ、先生!」