恋愛スキル
「15日?」
緋乃は目線を上にあげながら、予定を確認している。
「いいよ、ちょうど予定ないし」
「マジか!サンキュ!じゃぁ13時からだから。忘れんなよ?」
俺は嬉しさのあまり満面の笑みで、親指をピンと立てた。
緋乃は「覚えてたらね」と、何気に冷たい事をサラッと言う。
「偉そーな事言ってんなよー」
お返しに俺は、緋乃の整った髪に手を伸ばし、クシャクシャっとすると、緋乃は案の定、唇を尖らせプンスカ怒って鞄で俺を叩いてくる。
そんな緋乃が可愛くて、俺はガキみたいに毎朝からかって緋乃を怒らせる。
俺そのうち嫌われっかな?
緋乃の瞳にはいつも浅利が映ってて、たまにあいつは、気付いていないが俺を無視する事がある程。
……てか、俺の存在を一時忘れられる感じ。
それは、明らかに俺が浅利に負けてる事の証明だった。