恋愛スキル



家にいても籠もって勉強。テレビでのスポーツ観戦も、ルールや、どうやれば効果的かを知る為の勉強。


そんな毎日。



私立中学に行かなかったのは、金銭的余裕がないとの事だったけど、私は正直言うと、大輔がいる地元の中学で良かったとホッとしたんだ。



私のそんな取り留めのない話を浅利先生はうんうんと黙って聞いてくれて、私を抱き締めてくれた。


「良く頑張ったな……松浦はすげーよ……」


先生は私の顔を覗き込む。
泣きじゃくった酷い顔を見られたくなくて、私は思わず顔を逸らした。


すると、ふと先生の手が私の頬に触れて、涙の跡をそっと拭うと、その手は私の前髪をゆっくりとかきあげ、また頬でとまった。



先生の視線を感じて耳が熱くなる。

先生……急にどうしたんだろう?

何だか雰囲気が……いつもと違う……?



私は心臓がバクバクで、浅利先生を見る事が出来ない……。



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