恋愛スキル
「ご褒美、何処行きたい?」
浅利先生はふと手を離し、デスクに置かれた小さなカレンダーを手に取った。
「……え?……え!?」
私は聞き間違えたのかと思い、驚きのあまり変な声が口から飛び出した。
浅利先生は思わず吹き出すと、笑いをこらえながらもう一度言った。
「どっか連れて行ってあげるよ。どーせ予定無いんだろ?せっかくの夏休みだしな。車あるし、何処でも良いぞ」
浅利先生はニッと笑うと「任せなさい!」とガッツポーズをして見せた。