恋愛スキル
どれにしよぅかな…
『早く出せよぉ~準く~ん!』
…じゅん?
ボタンを押すと同時に男の声が聞こえてきて、私はそっちを振り向いた。
自販機のすぐ先の公園の陰に、三人の男と準ちゃんの姿が見えた。
俯く準ちゃんは無言でポケットから財布を出すと、男に差し出した。
「準ちゃん…?」
バカな私は声を出してしまった。
一斉に浴びる視線。
準ちゃんは私を見て、
「松浦!?」
と驚いた様子を見せると、気まずそぅに視線を地面に逸らした。
「あれれ?準くんの彼女?」