恋愛スキル
少し離れた人混みに紛れ、チラッと見えた後ろ姿。
自分の目で確かめたくて、いてもたっても居られなくなった俺は、
「わりぃ!」
と、持っていた物を圭に押し付け、人混みを掻き分け、夢中でさっきの後ろ姿を追った。
いない…
いないな…
やっぱ見間違いだったのか…。
社まで歩いて来た俺は、辺りを見回し溜め息をついた。
この辺は社の陰で花火があまり見えない為、人かずは極端に減っている。
…こんな所に居るわけないよな。
俺が圭の所に引き返そうとしたその時。