燦々
5月

「ちょっと!陵も今日日直でしょー、せめて黒板くらい消してよ」


教室の前から黒板消しを持ってキーキー騒いでる女がいる


俺はため息をついた


アレが一ヶ月前にあんなしおらしく自己紹介してた女かよ……


「ちょっと聞いてんの!」


俺の返事が無かったのに不満だったのか教室…いや、廊下にまで響く声で呼びかける



いくら席が教室の後ろの方だからって普通に聞こえるのに


「わかったよー」


「よろしく!」


そう言って黒板消しを渡してきた


「咲良はチビだから上の方に届かないんだもんなぁ」


俺は皮肉をこめてそう言った


「うっさいわ。陵なんかただでかいだけのくせにー」


咲良は160くらい


別にそんなに小さいわけでもないけどね


俺が178あるからねー



そこから休み時間が終わるまで小学生レベルの口喧嘩


結局席が隣なので授業中まで繰越して怒られる始末


「咲良のせいだぞ」


「違うね、陵のせいだもん」


また怒られるのが嫌だったので俺は黙って前を見た


ふと、考えた


いつからだろう


呼び捨てで呼び会うようになったのは


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