木蓮の涙
絶対に木蓮には負けない
その思いだけで

あの言葉を聞いた日から
努力してきた


同じ人を愛している事は
お互い幼い頃から気づいていた

大好きでしょうがなかった
私も木蓮もこの気持ちが恋心だと

気づくのは容易い事だった


木蓮と私は瓜二つ

なのにどうして

私たちは全然違う


いつも

いつも

燈夜様の隣で笑っているのは
木蓮ばかり


私の方が

木蓮の何倍も努力して
家臣の信頼を得たというのに


いつも

いつも

誰からも優しい笑顔を
向けられるのは


木蓮ばかり



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