木蓮の涙
いつの頃からか私は気づいて
しまった


燈夜様の木蓮を思う気持ちを
木蓮を見つめる瞳が幼い頃とは違う事に


私には決して向けられない
愛するものを見つめる優しい眼差し

どこが違うと言うの

木蓮と私の違いはなんなの

分からない

どうして

どうして・・・



なぜ私は愛されない



燈夜様に愛されない私に
生きている価値などあるのだろうか

今までの努力は何の意味もなかった



わたしは



――――ただ




愛されたかった



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