木蓮の涙

頭の中で警戒音が鳴り響く
ここを早く離れなければいけない


でも離れられなかった
この人はきっと何か重大な秘密を
知っているそんな気がした


「なぜ八部衆の一人
 の貴方がこんな所へ
 封印されているの」

闇の中から底冷えするような
笑い声が聞こえた


「そうか・・
 そなたはまだ
 吉祥天としての
 記憶を思い出しては
 おらぬのか・・・

 ならば少し
 昔話をしてやろう」






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