木蓮の涙
その頃から2人はすでに
愛し合っていたよ今のように

毎日

毎日

あの湖の畔で幸せそうに
語り合っていた


そしてお前はいつもその2人を
遠くから見守るだけ
今のお前と同じようにな


お前は良心との葛藤に
苦しんでいた

妹の幸せを願いたい

それなのに日に日に膨らむ

嫉妬

妬み

拡大する憎悪に


そんなお前を俺はほっては
おけなかった

俺とお前は同じだったから


「えっ・・
 私と貴方が同じ?」



「クククッ
 まだ分からぬか

 吉祥天・・・

 俺はお前の事を
 愛していた
 心の底から」





「――私の事を」










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