木蓮の涙
愛されないと分かっていながら
止める事の出来ない思い


だから俺はお前の幸せを願った
お前が笑ってくれるなら

自分の思いなど届かなくていい


そして誓った


お前の為に『鬼』になると


「じゃぁ・・
 貴方は私の為に罪を犯し

 千年のも間こんな場所に
 封印されていたっていうの」


「全ては自分で選んだ事
 吉祥天・・・
 お前を憎んだ事など
 一度たりともない

 ただ一つ悔いている事は・・・
 お前の願いを叶えてやれなかった事」

どうして

こんなにも強い思いに
吉祥天は気づかなかったのか

こんなにも愛されていた事を
知っていれば違う選択も
出来たかも知れない



今の私と違って

―――――  

愛される喜びを

感じる事が出来たのに・・・












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