木蓮の涙
俺は幼い頃から繰り返し見る
夢があった

何の花か分からないが満開に花が咲く
木の下で俺はいつも誰かを待っている


何とも言いようのない
気持ちを抱きながら

嬉しいような

切ないような

泣き出してしまいそうな

そう、なんて

表現したらいいか分からない
微妙な気持ちで誰かを待っている


そして少しするとそこには
決まって同じ女が現れて

今にも泣き出しそうな顔で
俺に笑いかける…


その顔が切な過ぎていつも俺の心を

ギュッと締め付ける





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