木蓮の涙
ただの夢なのになぜか
その場所もその女も知っている
そんな気がして


慌てて色々聞こうとするのに
2人に俺の声は届かない…


すぐに訪れる別れの時を
惜しむ様に見つめ合う


そして別れ際に

ほんの少しの会話を交わす


「必ず次の世でも

 ―――お前を見つけよう

 どんな姿になろうとも必ず」


そう言って強く自分を刻み込む様に
抱きしめる


女は小さく頷き


男に背中を押され歩き出す


いつも、いつも

ただその背中を見送る
 


現実のようにリアルな夢




< 42 / 50 >

この作品をシェア

pagetop