木蓮の涙

この方はこの幼い顔にどれ程の
思いを隠して過ごしていたんだ

この歳ですでに先を見越し人の思い
を感じ取って行動していたなんて


自分の主人の思いを知ろうともせず
お使えしていたなんて私は愚か者だ




『ならば私がこの方に出来ることは
 ただ一つ』



燈夜様の隠した翼を羽ばたかせる事

その為なら誰を敵にしても構わない





燈夜様こそ当主になるべきお方



そしてその日から私は普通の5歳の
子供として接する事にした
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