imitation love
「まあね。」


「名前は知っているだろうけどUSUALLのギタリストの純です。純は本名。」



軽く自己紹介した純さんの横顔は綺麗だった。


「私、博子っていいます。」


「ライブに来てくれたコだもん。顔は鮮明に覚えてるよ。前から3列目のキュートなコと一緒だったよね。」


タバコを銜えながら話した。


「あっ、ごめん。タバコダメ?ダメならやめるけど・・・」



「いや、ライブの事を思い出してたらちょっと涙が・・・。」



いつの間にか涙が出てきていて自分でも驚いた。


「博子ちゃん。純は昔ここで働いてたんだよ。会計としてね。千里がまだ新人の頃にね。」


「ふぇ?」



「そうそう。昔の話だけど、まだUSUALLがお金なかった頃。働く代わりに翔也さんに自分が作曲した曲聞いてもらったり、千里にはギターどっちがうまいか競ったし。」



「お前、あの頃の俺の服とギターパクって真似してんだろ!」


「だってあれ動きやすいし。けどちょっとアレンジしてあるもん。」


私はそのやり取りで笑っていた。
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