imitation love

「それでは歌っていただきましょう。」



イントロのギターを弾き始める。そこからあたいは感情移入し始めた。



弾きながら千里との思い出が戻ってきた気がした。そう、東京から北海道に来たあの頃。その時はおじいちゃんとおばあちゃんが泣いていた自分を慰めてくれた。



その頃が懐かしい。



ついにソロ。千里思い出すな。



千里どうしてるんだろ？



そんな想いの中でスタジオの収録を終えた。



収録が終わってワゴンで自宅まで。デマチの子がいっぱいいた。中には自分の昔の髪の毛の赤だったり今の青と黒にしている子も。つくづくすごいなと思いつつも鳴っていた携帯にでる。



「もしもし？」



「あっ、純？今千里がね純の家に行ってるの。とっても大切な話なんだって。」



翔也さんのとびきりの声。この声に癒される。



「何用だ？まあ、いいや。ありがと。」



どうせ、新曲のあーだこーだの話をされるどろう。


家の前には誰にもいない。ということは昔作った合鍵をつかっているという事だ。