imitation love
俺がスタジオに入ると、ちょうど男性バンドが撮影していた。

しかし、俺は絶句してしまった。なにせ博がいたから。

俺は運命の巡り合わせはひどいものだと感じていた。

その時にあの事件がフラッシュバックした。

大学時代、友人が聞いた話。食堂で同じ学科の女子が語っていた話を辿ってみた。

「知ってる?3年前にゲイにレイプされちゃった男の人の話!」

「知ってる!あれって実は主犯の男が被害者に想いを寄せていたんだけど、被害者は(友達のままでいさせて欲しいから)って言ったから頭に来て犯したって話!」

「そうそう!あれは被害者が可哀想だよねぇ。悪くないのにねぇ。犯人は保釈金払って終わりだったみたいよ〜」

「被害者って相当かっこゆかったのかな!?」

「分からないけど、被害者はあれからしばらくは対人恐怖症に悩まされたみたいよ!」

「噂だから真実なのか分からないよね。」

俺はそんな事を思い出していた。

幸いにも博は純さんとの撮影はなかったので無事撮影を見学できた。俺は撮影が終わってすぐにスタジオを出た。そして純さんの控え室に行った。

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