imitation love
私は何故だか涙が出ていた。多分歌詞にとても共感したからだと思う。


純さんが私のほうを見た。ウィンクしていた。


「すっごい行って良かった!」


アンコールもあり、ライブは盛況のうちに終了。帰り道隣の次子は相変わらずだが、私は純さんがますます気になっていた。


「ねえ、次子。USUALLの載った雑誌って無いの?」


「いっぱいありますよ!後で部屋に持って行きますね!!」


私はしばらく自分の世界に入っていった。ドラマのような展開だ。ウソじゃない。自分が当事者になっているのだから。


「ただいま~。」


次子がドアを開けた。そこには翔也さんとマネージャーの千里さんがいた。


「お帰り。どうだったの?」


「もう千里さんも見たほうが良いですよ!同性の私も惚れるんだから!」


次子は興奮しながら千里に語った。


「俺はいいよー。んで博は?」


「俺、恋したかも・・。」


いつの間にか口調が男になってしまっていた。翔也さんは俺を見守っていた。


「こいつ頭打った?」


思わず千里さんが翔也さんに対して言う。


「だって目が虚ろだもの。何かあったに違いないよ。それとも男としてなんかあったんじゃない?」


翔也さんは核心につくように言った。


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