imitation love
私は慌ててシャワーを浴びて、髪を巻いてメイクをして、すぐフロアに向かった。しばらくお客様の相手をしていた。


「ぉお~。久しぶりじゃない。」


千里さんの声で振り返った。そこには純さんに助けられた時のような出で立ちをした女の子がいた。


「いつもの席ね。」


その人はそう答え、コチラには目も向けずにカウンターの翔也さんと千里さんの所へ向かっていってしまった。


私はしばらく意識がその人へ向かってしまっていた。


千里さんと翔也さんは笑顔で応対している。私があんまり見ない笑顔だった。


休憩時間に次子を呼んだ。


「カウンターの人純さんに似てると思う?」


私は指を指して聞いてみた。


「どうなんでしょう?コスプレにしては似すぎですよね。」


「声も掛けづらいよねぇ。」


「じゃ、私お酒取りに行く振りして聞いてみましょうか?」


「そうね、お願いできる?」


「ネエさんが頼むなら。」


次子は笑顔でまたフロアにでていった。
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