星泥棒は罪にならない

私は真っ白なワンピースを一枚。

足元は鮮やかなイエローカラーのビーチサンダルが暗い夜道を明るくしてくれる。

日本の夏、独特の生温かい夜風が露出した肌を何度も撫でる。

それはお世辞にも心地よいとはいえなくて、私は何度も撫でられた腕をさすった。

私のその行動を、
彼は肌寒いと思ったのか、

「寒い?」

と一言。


その一言の中には優しさが見える。
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