恋する姫の1年間

「マリンお嬢様。お友達がお見えです」

「ありがとう。清水。」

あたしの指導係の清水はいかにも紳士って感じ。

もう40代なのによくこんな執事みたいなことやってるよね。

でも、一番頼りになる存在。

「お嬢様。今日のパーティなのですが、お父様はやはり戻ってこれないそうです。」

「そう。」

お父様は忙しい人なの。

この国はすごく小さくてお金もあんまりないし次の後継者になる人は大変。

あたし?

女の人は継げないの。

もし結婚して旦那さんが継いでくれるって言ってもだめらしい。

継ぐ人はこの国のために尽くしてくれる人。

まぁ、一言で言うと勇者かなぁ。

だからあたしもあと2年間位しか優雅な生活が出来ないの。

優雅って言っても、みんなが思ってるほどじゃないけど。

あと、2年はここにいられるけど今年が勇者を決める大会があるの。

あたしは興味ないけどね。

「お嬢様。みるく様です」

「マリリ〜ん」

「何!?いきなりどうしたの?」

「きょ今日から申し込みだったの?」

「へっ?何が?」

「勇者様が決まる大会の!」

「へ〜」

「へ〜って!ホントに興味ないのね!」

「みるくは体格でしょ?」

「もう、たまんない!あのムキムキボディ」

「なんか、気持ち悪っ」

「そうゆうマリンはどうゆうのがタイプなのよっ!」
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