-雪女郎- 雪月
第十二夜
「久方ぶりでありんす。今井様。」
ひと月ほど経った、凪雛の座敷。
「凪雛、例の件ありがとう。」
品のある笑顔で、凪雛と向かい合うのは今井様。
尚五郎の父親だ。
「いえいえ。こちらこそですよ、今井様。アタクシの禿なんかに・・・」
「尚五郎は、母親が死んで以来塞ぎ込んでいた。心をな。」
「それを、アンタさんの禿は支えてくれた。尚五郎を再び立ち直らせてくれた。」
凪雛は、酒を薦めた。
「雪月こそ、失礼な真似をしてしまいましたが・・・」
今井様は、ははっと笑った。
「女にぬかしていた尚五郎にとっては、良い薬となった。」
ひと月ほど経った、凪雛の座敷。
「凪雛、例の件ありがとう。」
品のある笑顔で、凪雛と向かい合うのは今井様。
尚五郎の父親だ。
「いえいえ。こちらこそですよ、今井様。アタクシの禿なんかに・・・」
「尚五郎は、母親が死んで以来塞ぎ込んでいた。心をな。」
「それを、アンタさんの禿は支えてくれた。尚五郎を再び立ち直らせてくれた。」
凪雛は、酒を薦めた。
「雪月こそ、失礼な真似をしてしまいましたが・・・」
今井様は、ははっと笑った。
「女にぬかしていた尚五郎にとっては、良い薬となった。」