薔薇の欠片



僕は彼女の背中を見つめる。



「わかっているでしょう?」



ああ、と僕は返事をしておく。



……海が言いたいことはわかる。


だけど、
僕はアイツみたいにはならない。


アイツのように純粋になれない。






僕はマントを羽織って、夜の闇に溶け込んだ。


……今夜は満月だ。



< 120 / 201 >

この作品をシェア

pagetop