薔薇の欠片


『彼女に日の当たるところの写真を見せてもらったんですよ!』



やめろ。



『綺麗だったなあ。

俺も、いつかこの目で見たいなあ』



もう、いい。



『俺、彼女と同じ場所に行きたい』




……




「彼は……」



思い出す。

封じ込めておこうと思っていたのに。



あの人間に対する憎悪で、胸が暴れだす。

やはり、
あのとき止めておきべきだったのに……



「やめてください……」


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