薔薇の欠片
僕の本能が、
叫んでる。
“早く殺せ”と。
だけど
違うだろう?
そのときだけは、
満足するだろうが
そんな物、ほんの一瞬だ。
もちろん、
いつまでも本能に勝てるとは思えない。
だから悲しいんだ。
このときだけ思った。
何故、
僕は吸血鬼なんだろうと。
何故、
神は吸血鬼の存在を
この地球に産み落とした?
やはり、僕はお前を憎む運命なんだ。
何故、
吸血鬼を作った。
何故、
僕を産み落とした。
何故、
彼女と僕を出逢わせた?