薔薇の欠片



私は一歩、一歩足を踏み出していく。



彼は眠っているようだった。



胸の鼓動が速くなる。





ねえ、


嬉しいのに、


どうして


涙がでてきそうになるのかな?





彼まで、あと二、三歩と言うところで


私は震える唇で名前を呼んでいた。




「……玲さん」



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