薔薇の欠片
これは、
希望の光なんかじゃない。
絶望の光だ。
私と玲さんは光の発信源を見た。
目をつぶりたくなるような眩しさだった。
そんな中、見えた人影は
「高藤さん……?」
私の顔からさっと血の気が引く。
高藤さんは鋭く玲さんを睨んでいる。
「もしかしたらと思ったんだ。
もっと早くから君を止めておくべきだった!」
やめて。
これ以上邪魔しないで。
高藤さんの後ろには何人かの兵がいる。
その兵が手に持っているのは……銃?
兵の一人が玲さんに向かって銃を構える。
「やめて!」
と言う私の声と同時に、
パンッという音が辺りに響いた。
銃弾は玲さんの胸を貫いた。