薔薇の欠片
このカーテンを開けてしまったら、
彼はどうなるの……?
「ん……」
ベッド横から、玲さんの声が聞こえた。
私はさっとカーテンから手を離す。
「憂さん、起きてたんですね……」
そう言って、彼はぐーっと伸びをする。
「はい……、なんだか目が覚めちゃって」
「悪い夢でも見たんですか?」
「…!」
「顔色が悪いですよ」
彼の瞳は何でも見透かしていそうだ。
私は、彼から目を逸らして話題を変えようとする。
「玲さんは……」
これは、確認だ。
言われなくてもわかっている。
だけど、彼の口から実際に聞かなければいけない。