薔薇の欠片



「玲さんは、

 本当に吸血鬼なんですか?」



彼は軽く息を吐いた。




「確か、前も言っていましたよね。
 もう、わかっているんでしょう?」


「貴方の口から聞きたいです……」



彼は何も言わずに私の手をとる。


ベッドの上から彼を見下ろすような形になって、

彼の目に捕らえられた。



「わかってますよね? 僕には体温が無い」



私は黙って頷く。



「髪だって、目の色だって銀色。
 人を殺す牙だってもってる。

 自然治癒力も並大抵じゃない、あんな銃弾を喰らっても僕は死なない」



それに、と言って

力なくははっと笑った。



「それに、
 貴方と会うときはいつも晴れていない日を選んだ」


「それは……」



そう、と彼は頷いた。



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