addiction to you~恋はココから始まる~


それは、姫の耳にしっかりと届いていた。


「…レンちゃんの…右目は…もう光をともさない?」


その場に座り込んでしまった。







「いいよ、父さん母さん」


レンは医者を問い詰める父と母を止めた。


「コレは、姫を護る為の代償なんだ…姫の命とボクの右目…どっちが大事?」


レンのその言葉を聞いて、父と母は黙った。


「だから、コレで良かったんだよ ボクは姫を護れればそれでいいんだから」


静かにレンは笑った。


「そんなに…姫ちゃんが大事なの?」

「ボクの白い髪を気持ち悪がらなかったのは、姫が初めてなんだ」


レンは言いました。






「…レンちゃ…レン……ゴメンなさい…」


姫は、涙を流した。






そして、この日を境に姫はレンの事を「レンちゃん」と呼ばなくなった。

いや、呼べなくなった。

罪悪感が心にあるから。

若干8歳で、この2人は何を思うのか。







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