addiction to you~恋はココから始まる~
その時、学園長はかすかに笑った。
「何が可笑しい」
「いいえ、記憶を失うなんて…絶対に私がさせないと思っただけです」
「何を言ってるんだ君は」
「医師でもないのに、そんな事が出来るわけないでしょ」
父と母は叫んだ。
「私は、生徒に愛情を注いでいます…特に瑛歌は、Dクラスで私が選んだ生徒…簡単に記憶を失わせるわけにはいかないんです」
ハッキリと言ったその言葉には、心に響くものを感じる。
3時間程経って、3人は再び病室にやって来た。
「瑛兄ィ…」
「「頌歌のせいじゃないから」」
病室のドアを開けると、そこに兄の姿はなかった。