addiction to you~恋はココから始まる~
「嵐みたいでしたね」
「さっ、仕事再開だ」
パンッと手を叩き、皆は仕事に戻った。
「去年は、PDが来たのよね」
「えぇ、そうですね」
ニッコリ笑顔で質問に答えていく。
本人ですけどね。
「でも、今年は″addiction″よ」
「あれって、生徒だけど大人っぽいしカッコいいよね」
「そうですか」
addictionの時はメイクをしているので誰かよく判らない。
メイクはメイクでも、ビジュアル系のメイク。
だから、気付かれない。
「私、addictionnのCD買ったよ」
「私も。HIME君の声が最高に素敵」
曲を思い出してぽーっとする。
でも、やっぱり姫は男に思われている様子。
「沙久君は誰が好き?」
「自分ですか?自分は皆です」
迷いなくハッキリ答えた。
その瞳に狂いはない。
「確かに、ヴォーカルのHIME君以外の4人も良いよね」
「ベースのRYOKU君って背か高くて…」
全員の事をよくご存知の女性達。
恐るべきファン魂。