addiction to you~恋はココから始まる~
緑は扉を開けようとするが、手が震えてなかなか扉を開けられないでいる。
そして、冷や汗まで出てきた。
「早く開けろよ。臆病者」
「お前に言われたくない」
急かす彗にズバッと言い放つ緑。
確かに、真っ先に開けたくないと言ったのは彗だ。
「…開けるぞ」
皆が唾を飲み込んだ。
今度こそ開けようと、扉のドアノブを摑もうとしたその時。
いきなり、扉が開いた。
そして、扉は緑の顔面に激突。
顔を抑え、しゃがみ込む緑。
「あれ?誰かいたの」
背が高くて、声が低い大人っぽい青年がそこにはいた。
緑は顔をあげて、その青年を見る。
何処か見た事のある顔。
でも、誰かが判らない。
「あっ、ひーちゃん達か」
その呼び方をする者は1人だけ。